篪庵(ちいおり)

5ヶ月前に、四国・徳島県の山奥にある篪庵(ちいおり)を訪れました。

アレックス・カーの『Lost Japan』(日本語の『美しき日本の残像』がもとになっている)を読んで日本に帰ったら行きたいと思っていた場所。

アレックスさんが訪れたときと同じまま文明化されていないわけではなく、今は車でちゃんとたどり着けるようアスファルトの道が通っている。とはいえ、平家の落人が流れ込んだというだけあって山奥深い。

篪庵につくと、畑仕事を手伝いたいと思っていたけれど、あまりの居心地のよさに軒下でごろりとしてしまいました。

居心地のよさを考えてみると・・・
●モノがない美しさ。
基本的に床にあったのはいろりと座布団、そして隅に灯りだけ。物置小屋が併設されていて、訪れた人はそこに荷物を置く。モノがないことに加えて、プラスチックや電子機器がない日常が排除された空間だから心地いい、そんな空間を是非持ちたいな〜。そういえば、テレビを棚に隠しているアメリカの人の住まいを以前見た気がするな、自然なものと人工的なものを意識して、空間を作ると自分の心地よい生活がえられそう。

●光
●囲炉裏の灰でいぶされてきた重みある木材の床や壁
夜になると、和紙を通した灯りがツヤのある床に反射し、屏風や障子をやんわり照らしています。

ところで、
篪庵では屋根葺きを取り替える時期がきているけれど、資金が集まらずうまく進んでいないとのこと。アルクの滞在レポートにも書いてあるように、以前は身近に手に入る萱で村の人たちと手伝い合って定期的に葺き替えを行ってきていたものの、現在ではふき替えできる職人さんがわずかばかり。資源が近場で手に入らないことにより、その分資金も膨らんでいく。


宿泊者や訪問者からの寄付だけでは、その資金集めには相当の時間がかかるとのことで強力な協力者を募っています。

ちなみに、訪れたときは、近所のおじさんが藁の切り方を教えてくれました。まさか・・・この道具を使って2000束の萱を切るのかな。