三重ならではのエコ。海の森ので植林。
「三重は、海の幸も山の幸も美味しくて住みやすい」。
小さい頃、他県から来た友達の両親がこう言っていたことを思い出します。
夏休みには、「ここハワイ?」と兄妹が間違えたほど綺麗な砂浜があった伊勢志摩にある御座白浜へ行った思い出や、三重を離れても、ちょくちょく伊勢や志摩の方へ、海の新鮮な幸を食べに訪れています。
考えてみれば、私の楽しみに欠かせない三重の海ですが、
海を健康な状態に保つための、海の森(藻)が20年ほど前から、なくなりつつあるそうです。三重の海で植林を行う「海っ子の森サークル」は、わたしたちの手で海の中の自然の石に藻をつけていく、簡単な藻場造成方法をもって、成功事例をつくっています。この「鳥羽工法による海の植樹方法」を、全国、そして世界に向けて発信していきたいものですね。現在は、鳥羽市答志島の海底に藻場をつくっているそう。
ちなみに、答志島といえば、ワカメ!伊勢神宮にも奉納されているワカメ。ぜひ訪れたいのが、 かおり風景100選に選ばれている「答志島和具浦漁港の塩ワカメ作り」。塩ワカメの季節には、津のスーパーなどにも売っていましたよ♪
アトリエと畑のあるくらし
津市の田舎でどんな暮らしをしているのだろう。
自宅のアトリエで彫金などを制作する傍ら、畑から摘んだブルーベリーでジャムを作ったりしている、という話を聞き、一度訪れてみたいと思っていた。
訪れたのは、津市白山町。
道路沿いに民家が点々とたち、田んぼや畑が広がる。蔵つきの大きな民家にお邪魔した。
アトリエの窓には、ガラス玉のオブジェや、ウールのマフラーなどの作品。
マフラーは、ウールから糸車で糸を紡いだそう!写真左は、現在使用中の西洋式の糸車。写真右は、日本式の糸車。祖父母の代から使われてきた糸車も残っている。
以前育てた綿花。綿花から、糸を紡ぎ、生地まで作ったこともあるそう。綿花は1年目は成功したものの、2年目以降はうまく栽培できなくなったそう。ちなみに、戦国時代には三河・伊勢・松坂をはじめ、各地で綿花の栽培が行われていたという。かつてのように自作の綿花から作られる伊勢木綿や松坂木綿はないのだろうかと、日本の綿の栽培地ガイド をみると、三重では綿花栽培を行っているところはまだないみたい。(参考:いせ木綿)
玄関には、庭で育てているアケビの蔦を編んだ籠。軒先には、自家栽培のシイタケを天日干し。裏庭には、レモンやオレンジの木がある。
無農薬のレモンを皮ごとつかったシフォンケーキをいただいた。アクセントになっていたレモンのアイシングが美味しかった♪オレンジは、すっぱそうな見た目をよそに、甘くてみずみずしかった。とても満ちた気分になった。
ざっと聞いただけでも、バラエティに富んだ農作物を作っています。米、しいたけ、なめこ、ブロッコフラワー、長芋、白菜、ネギ、じゃがいも、青梗菜、ブルーベリー、キウィ、オレンジ、レモン、柚子・・・。育てている野菜のチョイスがいい、食べてみたい野菜が多い。
もちろん、つくる・味わう楽しみで満たされるには、毎日それだけ働いているのですね。アトリエと畑、素敵な暮らしですね♪
先週の木曜日、「持続可能な社会の構築 ―スウェーデンからのメッセージ― 」セミナーに参加してきました。
スウェーデンでは、『2021年のスウェーデン』と呼ばれる環境面を中心とした未来ビジョンの策定しています。その策定に関わったアニタ・リンネル氏の基調講演でその背景と、10年経った現在の状況についてお話されましたが、興味深かったのは策定へのアプローチ(成功要因は、2つだという)。
●さまざまなステークホルダーに、調査のはじめから関わってもらうことで、彼らは何をしなければならないことを受け入れることができたこと。 (最初に専門家が集まり長期的な目標を定義した後、さまざまなステークホルダーを巻き込み、それぞれのセクターの将来像をバックキャスティングを用いて描き出した。)
●P.F.ドラッカーの『現代の経営(”The Practice of Management”)』で述べられている理論に基づき実施したそう。
Specific:未来の姿を具体的に描く
Measurable:測定可能な中期目標を設定する
Accepted:ステークホルダーがそれぞれの役割に伴う責任を受け入れる
Realisable:実現可能な目標とする
Time-delimited:目標への制限時間を決める
このようなアプローチをとれたのは、スウェーデンらしい多様な経歴をもった彼女のような人材が関わっていたからだと思う。ちなみに、彼女は、大学卒業後に高校教師を経て、大学院経済学課程を終了。そして、防衛戦略研究所にてアナリストとして勤務後、環境保護庁にて、「2021年のスウェーデン」プロジェクトリーダーを務めた。
スウェーデンでは、社会に出た後でも、無料で学ぶ機会があり(大学院や専門学校、高校)、意思のある人たちを支援する体制が整っているところが、やっぱりすばらしいなと思う。
そうそう、鮮やかなピンク色のスーツで華やかなアニタ・リンネルリンネルさんをみて、
スウェーデンにいたとき、家主のおばあちゃんが、いつもきれいな色をきていてガーデニングをよくしていたことを思い出しました。年を重ねたときこそ、華やいだ明るい色を着たい!
「アリ地獄のような街」エクマットラ制作
日本で生まれ育った同世代の人たちに、ひとつひとつ行動にうつしている人がいます。
エクマットラ共同設立者の渡辺さん。この映画を配給しているユナイテッドピープル・代表の関根さんとのインタビューをみて、気になっていたいた映画「アリ地獄のような街」。
映画の内容は、バングラデシュに関わらず途上国であれば、起きていることなのだと思う。テレビや雑誌など見たり聞いたりしたことがある。
親が亡くなったりとさまざまな事情で、子どもたちが田舎から首都ダッカにやってくる。
バングラデシュという世の中のシステムをしらない子どもたちは、手持ちのお金がなくなると、ストリートチルドレンになり、気づけば闇の世界で生きている。
今、ダッカには、ストリートチルドレンが溢れているらしい。
この日は、横浜・シネマ・ジャック & ベティでの上映会の最終日。
運がいいことに、日本でプロモーションを担当している渡邉さんの舞台挨拶を聞けました。
この映画を制作した、NGO団体・エクマトラは、ストリートチルドレンの支援活動をしており、そのひとつとして、子どもたちに教育の機会を与えようと「青空教室」を行っています。
「教育」。
スウェーデンの社会の教科書を目にしてから、社会で生きるための教育の必要性を改めて感じてます。守られている環境で育ったことは、運がいいと思うし、子どもにはそんな環境が必要だと思う、判断力がつくまで。
アフリカの人から教わったこと
日本で学び、働いているアフリカのとある国の人が、
「現在の日本人をみていると日本の未来が不安である」
と聞いたんだよね、という知人の話から、
今年5月にウガンダ首都カンパラで聞いた印象深い話を思い出しました。
ウガンダの方はこんなことを言っていました。
「こういう話があるんです。
『ある釣り人が、のんびり釣りをしていました。
そこに、国際機関の人が来て、言いました。
国際機関:もっとよい魚の釣り方を教えてあげるよ。
釣り人:それをやってどうなるの?
国際機関:そうすれば、もっと効率よくたくさん魚が獲れます
釣り人:そうすると、どうなるの?
国際機関:もっと収入が増えますよ。
釣り人:そうすると、どうなるの?
国際機関:よりよい道具を購入し、さらに魚をたくさん獲ることができます。
釣り人:そうすると、どうなるの?
国際機関:もっともっと収入が増えます。
釣り人:そうすると、どうなるの?
国際機関:お金がたくさんあれば、もっと良いモノを買って、よりゆとりのあるリラックスした時間を過ごすことができますよ。
釣り人:それなら、いいや。今でも十分リラックスしているよ。』
わたしは、あなたがた先進国の人に同情します。」
この話を聞けたことは、
基本的なこと「自分がどうありたいか」を、
じっくり考えるようになったきっかけの一つだと思う。